パンコール島ガイドブック/Pulau Pangkor Guide Bookについて

マレーシアにはたくさんの島々があります。
海の透明度を求めるならマレー半島の東側の島々(レダン島・プルフンティアン島・ティオマン島)やボルネオ島の島々へ。
ある程度の利便性を求めるならランカウイ島やペナン島へ。

上に挙げた島々の情報はたくさんあるけれど、パンコール島に関しての情報はほとんどありません。
情報がない故、「この島、何もないね」とガッカリされて次の地に移るバックパッカーにも多く出会いました。

一見、何もない地でこそ、自分なりの楽しみ方をみつける事を是としていたバックパッカー時代、パンコール島に関しての情報は日本人バックパッカーの聖書『地球の歩き方ーマレーシア編ー』の中で僅か半ページでした。その僅か半ページの向こう側が見たくてフラッと立ち寄ったパンコール島での出逢いがその後の自分の生き方までも変えてしまうとは当時夢にも思いませんでした。

初めての渡航で知り合ったボート屋の親父ノンさんがボロボロな財布の中から取り出したのは、「地球の歩き方」の編集者の方の名刺でした。その方は毎年何度もパンコール島に足を運ばれていたようです。それでもパンコール島に関しての情報が半ページだったのは「他の島々に比べパンコール島は有名でない」「日本人観光客の需要がない」などの編集責任者クラスの判断があったのでしょう。
「彼がこの島に来なくなってもう数年が経つ」と淋しそうに話していたノンさんは、今でも彼の名刺を大切に持っています。

1度目の渡航では、日程の都合もありさすがに消化不良で終わったパンコール島。
そんな地に「2度行ったら、あのボート屋の親父はどんな反応するかな?」という些細な悪戯心で訪れた2度目のパンコール島。
案の定、ノンさんは「オマエ、あの時の!! 2度も来たのか!?」と大喜びし、そこから私とノンさんの本当の意味での交友が始まったように思えます。
その喜ぶ顔が見たくて翌年もまた翌年も、放浪旅の途中に立ち寄るパンコール島。
その都度、ノンさんだけでなく島の友人たちも増え、彼らと行動を共にする毎に「この島、こんな楽しみ方も出来るじゃん」とたくさんの発見をしていきました。

昼間はボート屋を無償で手伝う傍ら、島の友人たちに教えてもらった彼らだけが知る絶景スポットを探検してみたり、夜は夜で交友関係の広いボート屋のノンさんにあちこち引き摺り回されたりしながら、そんな事を毎年毎年繰り返してゆくうちに「毎年パンコール島に里帰りのように帰ってくる変わった日本人」としての自分が確立されました。
そして何よりもパンコール島で知り合って、自分やノンさんのお節介過ぎる行動に、嫌な顔ひとつもせずにお付き合い下さった多くの日本人観光客の方々と過ごした貴重な思い出のひとつひとつが、自分のパンコール島への想いを深めていってくれたように思えます。

パンコール島に通い詰めて18年。人生の折り返し地点をとっくに過ぎた年齢で長女を賜ったのを機に、なかなかフラッとはパンコール島にも行けなくなり、それでもパンコール島に少しでも興味を持って下さる人の不安を少しでも軽くしてあげたい為だけに、「こんな楽しみ方が出来るよ」「こんな料理もあるよ」「病気や怪我をしても大丈夫」と、自分の経験を基に、この『パンコール島ガイドブック』を製作し、ボート屋のノンさん始め島の多くの友人たちからの情報を踏まえ更新しております。

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また、当HPを見てパンコール島に行って下さった方、「ここが良かった」「ここが困った」「こんなのがあればもっと助かった」「この情報は古いよ」等々、ご意見・ご感想を下のコメント欄やメールにてお寄せ下されば、微力ながら皆様の声を現地に届け、実現に向け関係者各位の尻を叩きますので何卒宜しくお願いいたします。

『パンコール島ガイドブック』製作・管理人
2023.Dec.16 Tsukasa Tomioka